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【シワ・たるみの元凶】PAとは?肌の老化を防ぐ「もう一つの紫外線対策」の全て

前回の講義で、あなたは日焼け止めの「SPF」が、肌を赤くする紫外線B波(UVB)を防ぐ“時間”を示す指標であることを学びました。 「これで紫外線対策は完璧だ」…そう思ったかもしれません。

しかし、日焼け止めのボトルには、もう一つ「PA」という謎の記号が記されています。SPFだけを気にして、こちらの意味を理解していないとしたら、あなたの紫外線対策は、まだ50点です。

こんにちは、アタマジです。 本日の講義は、あなたの肌の「老化」を食い止めるための、もう一つの紫外線対策「PA」の全貌について。 このPAこそが、10年後、20年後のあなたの若々しさを決定づける、真のキープレイヤーなのです。

結論:「PA」とは、肌の老化を引き起こすUVAを防ぐ“強さ”の指標

まず、SPFとの違いを明確にしましょう。

  • SPF → UVB(紫外線B波)を防ぐ。 UVBは肌の表面に作用し、赤みやヒリヒリ(サンバーン)の原因となる。
  • PA → UVA(紫外線A波)を防ぐ。 UVAは肌の奥深くにまで到達し、シワやたるみの原因となる。

PA(Protection Grade of UVA)とは、この肌の老化を招くUVAを、どれくらいの「強さ」で防げるかを示した指標なのです。

静かなる老化線「UVA」の恐怖

UVAがなぜこれほど恐ろしいのか。それは、その性質にあります。 UVAは、雲や窓ガラスさえも透過するため、曇りの日でも、冬でも、あなたがオフィスや自宅の室内にいる時でさえ、常にあなたの肌に降り注いでいます。

そして、肌の奥深く「真皮層」にまで到達し、肌のハリを支えるコラーゲンエラスチンといった弾力線維を、静かに、しかし確実に破壊し続けます。これが、年齢と共に現れる深刻なシワやたるみの、最大の原因なのです。

「+」の意味を解読する

PA値は、日本の化粧品工業会が定めた基準で、以下の4段階で表示されます。

  • PA+  :UVA防止効果がある
  • PA++ :UVA防止効果がかなりある
  • PA+++ :UVA防止効果が非常にある
  • PA++++:UVA防止効果が極めて高い

非常にシンプルです。「+」の数が多いほど、シワやたるみを防ぐ力が強い、と覚えてください。

【シーン別】PAの“最適解”はこれだ

では、私たちは具体的にどのレベルのPA値を選べばいいのでしょうか。

シーン①:日常生活(室内業務が中心、近所への買い物など)

  • 推奨値: PA++ 〜 PA+++
  • 理由: 室内にも届くUVAを防ぐため、オフィスワーク中心の日でも最低限の対策は必須です。PA++以上あれば、日常生活におけるUVAダメージを十分に防ぐことができます。

シーン②:屋外での活動(通勤、営業の外回り、長めの散歩など)

  • 推奨値: PA+++ 〜 PA++++
  • 理由: 屋外で過ごす時間が長くなるほど、浴びるUVAの総量は増加します。将来の自分のために、より強力な防御策を講じましょう。

シーン③:炎天下でのレジャーや、特に日差しが強い場所(南国など)

  • 推奨値: PA++++
  • 理由: 紫外線が最も強い環境下では、利用可能な最高の防御力で肌を守るべきです。迷わず「PA++++」を選びましょう。

SPFとPA、本当はどちらが重要?

「結局、SPFとPA、どっちを重視すればいいの?」 これは非常に良い質問です。

答えは、「目的によるが、多くの男性にとって日常的に、より意識すべきは“PA”かもしれない」です。

なぜなら、SPFが防ぐUVBによる「日焼け」は、主に夏や屋外で起こる、分かりやすい短期的なダメージです。 一方で、PAが防ぐUVAによる「光老化」は、季節や場所を問わず、毎日静かに進行する、気づきにくい長期的なダメージだからです。

もちろん、理想はあなたのライフスタイルに合わせて、両方の指標が適切なレベルにある製品を選ぶことです。

まとめ

  • PAは、シワやたるみの原因となるUVAを防ぐ「強さ」を示す指標。
  • UVAは「生活紫外線」とも呼ばれ、曇りの日も、室内でも肌に届く。
  • 「+」の数が多いほど、老化を防ぐ力が強い。
  • 日常生活ではPA++〜+++、屋外活動ではPA++++を目安に選ぶのが賢明。

SPFが「今日の肌を、赤みから守る」ための指標なら、PAは「10年後の自分を、後悔から守る」ための指標です。 このもう一つの重要な防御指標を理解し、あなたのアンチエイジング戦略を、今日から完璧なものにしてください。

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