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【洗顔とクレンジングの違い】なぜ“W洗顔”が必要?肌を最高に整える科学的アプローチ

前回の講義で、頑固な毛穴汚れや日焼け止めを落とすには、「オイルクレンジング」が最強の武器であることを学びましたね。 そして、その手順の最後に「その後、通常の洗顔を行う(W洗顔)」とありました。

その時、あなたはこう思いませんでしたか? 「ただでさえ面倒なのに、2回も顔を洗う必要があるのか?」 「洗いすぎて、逆に肌に悪いんじゃないか?」

その疑問、極めて論理的で、素晴らしい着眼点です。 こんにちは、アタマジと申します。

結論から言えば、多くの場合「W洗顔は必要」です。 なぜなら、それは「同じ洗浄を2回繰り返す」という無駄な行為ではないからです。 それは、性質の全く異なる“2種類の汚れ”を、それぞれに特化した専用の洗剤で落とす、極めて合理的で科学的なプロセスなのです。

あなたの顔には「2種類の汚れ」が付着している

まず、一日の終わりに、あなたの顔に何が付着しているかを分析しましょう。そこには、大きく分けて2種類の汚れが存在します。

① 油性の汚れ

  • 正体:
    • あなた自身の皮脂(アブラ)
    • 毛穴に詰まった角栓
    • 日焼け止めやBBクリーム
    • 料理中の油はね など
  • 特徴: 水には溶けず、水を弾く。

② 水性の汚れ

  • 正体:
    • 空気中のホコリやチリ
    • 古い角質
    • 雑菌 など
  • 特徴: 水に溶けやすく、水で洗い流せる。

理科の授業を思い出してください。水と油は、決して混ざり合いません。 つまり、この性質の全く違う2種類の汚れを、たった一つの洗浄剤で完璧に落とすのは、非常に難しいのです。

「クレンジング」と「洗顔」の“役割分担”

そこで登場するのが、「クレンジング剤」と「洗顔料」という、それぞれに専門分野を持つ2人のプロフェッショナルです。

オイルクレンジングの役割:油性汚れを落とす“重砲”

  • ターゲット: 皮脂、角栓、日焼け止め
  • メカニズム: 「油は、油でしか溶かせない」という化学の基本原則に基づき、オイルの力で、肌にこびりついた油性の汚れを溶かし出し、浮き上がらせます。

洗顔料(洗顔フォーム)の役割:水性汚れを落とす“掃討部隊”

  • ターゲット: 汗、ホコリ、古い角質
  • メカニズム: 豊かな泡の力で、肌表面の水性の汚れを優しく吸着し、洗い流します。また、オイルクレンジングの後に残った、わずかな油分と汚れも、さっぱりと洗い清めます。

W洗顔とは、まず重砲(オイルクレンジング)で敵の強固な陣地(油性汚れ)を破壊し、その後、掃討部隊(洗顔料)が残敵(水性汚れと残骸)を掃討する、完璧な二段構えの攻撃なのです。

なぜこの順番(オイル→洗顔)なのか?

この順番は、絶対に逆にしてはいけません。 なぜなら、前回の講義で学んだ通り、オイルクレンジングは「乾いた肌」で使って初めて、その皮脂を溶かす能力を最大限に発揮できるからです。 先に洗顔料で顔を濡らしてしまうと、オイルの効果は半減してしまいます。

【注意】W洗顔が“不要”なケースもある

ただし、常にW洗顔が必須というわけではありません。

  • 朝の洗顔: 朝の肌についているのは、睡眠中に出た汗やわずかな皮脂といった、水性の汚れが中心です。そのため、基本的には洗顔料だけで十分です。
  • 日焼け止めを塗らなかった、非常に乾燥が強い日: 肌の乾燥がひどい場合、W洗顔が肌の潤いを奪いすぎてしまうこともあります。日焼け止めを塗らず、ほとんど汗もかかなかったような日は、あなたの肌の状態と相談し、どちらか一方だけで済ませるという選択もアリです。

まとめ

  • あなたの顔には「油性の汚れ」「水性の汚れ」という、2種類の敵がいる。
  • オイルクレンジングは、油性の汚れ(皮脂、日焼け止め)を落とすための専門家。
  • 洗顔料は、水性の汚れ(汗、ホコリ)を落とすための専門家。
  • W洗顔は、この2人のプロが協力して、全ての汚れを根絶するための、最も合理的で科学的な方法。
  • ただし、朝の洗顔では、W洗顔は不要

「W洗顔」は、面倒な二度手間ではありません。 それは、あなたの肌のコンディションを最高レベルに保つための、目的が明確に分かれた、知的で戦略的なスキンケアなのです。

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